「弁証法」というのは、もともと討論や対話による推論の技術や方法を指すもので、ギリシャ哲学用語に由来する。なんとなく難解な印象を持つ人もいるかもしれないが、ごく身近な例で説明しよう。

 例えば、同僚同士で昼食に何を食べようかと話しているとしよう。

Aさん:ランチに何食べる? 俺はカレーがいいな。
Bさん:私、うどんもいいな。

 上のように対立する2つのアイデアがあった場合、「カレー」か「うどん」のどちらかを選ぶということもできる。先輩が「カレーがいい」と言ったら「カレーでも仕方ない」と、何も言わずに従うこともあるかもしれない。しかし、「弁証法」の考え方を使うと、「カレー」と「うどん」というアイデアを統合し、新しく「カレーうどん」という案が生み出されてくる。

「弁証法」は、このように対案をぶつけることで、より包括的・創発的な高次のアイデアを生み出していくものだ。そして、繰り返し対話や議論を行うことで、発想をどんどんと発展させていくことができる。この手法を会議に取り入れるのが「弁証法的会議」だ。会議でお互いの考えをぶつけ合うことで議論が活性化し、より統合的な結論を導き出すことが期待できる。

「弁証法的会議」を
上手に取り入れる6つのポイント

 ただ、日本の組織では前述のような「報告・レビュー型会議」を行い、活発に議論することに不慣れな人も多い。対案を出すことで「元の案を出した人を完全否定したと受け取られるのではないか」と、発言をためらってしまうのだ。特に自分よりも役職が上の人に対しては、意見が言いにくいと思う。

 そのため、私は「弁証法的会議」を行う際には、次のようなポイントを取り入れるようにしている。