「上下」の関係性しか構築できない人は
どこに行ってもダメ

 一見、普通の中高年が、なぜ突然「俺様社員」に急変してしまうのでしょうか。私は、彼らに人間関係を上か下かでしか見ない癖がついていることが大きいと感じます。要するに、彼らからすれば人材紹介会社は「業者」、自分より「下」の存在なのです。そのモードでコミュニケーションをとるために、自分の思い通りにならないと居丈高になってしまいます。

 しかし、「俺様社員」に対する我々の印象は極めて悪いです。それは失礼な態度をとられたからではなく、今どき上下でしか関係性をつくれない人はどこに行っても厳しいからです。フラットな組織で機動的に動くスタートアップベンチャーでは完全にダメですし、大企業であっても外部のさまざまな専門性の高い会社や大学等の研究機関との協業が必要な時代です。きちんと「左右」の関係をつくれない人は難しいのです。

 彼らのキャリアを詳細に見ていくと、肩書は部長ではあるものの実は部下なしで大きな組織のマネジメント経験がなかったり、専門分野の深掘りという点でもいま一つだったりします。しかし、会社の力を借りて形成した自分のキャリアと実績にとても自信を持っていて、それがどれだけすごいかをアピールする特徴があります。このようなタイプは大企業の部長職でよく見かけます。もちろん、この属性の人すべてを否定するわけでなく、ごく一部なのでしょうが。

 自己評価が高いため希望する年収やポジションも高くなりますが、マーケットの相場と合わないので、ますます紹介できる案件はなくなります。

仕事ができるのは
自分のファンづくりがうまい人

 実は10年以上前、「俺様社員」が今よりたくさん出現した時期がありました。不景気によるリストラで大手企業から団塊の世代の人材が放出されたときです。あの時期の「俺様社員」は本当にひどいものでした。

 それに比べれば、現在はパワーハラスメントが社会的に指弾されるようになり、終身雇用や年功序列システムの崩壊で、建前上はきちんとしなければならない、という自覚もあるのでしょう。会った瞬間から俺様を発動するような人は見かけません。むしろ第一印象は謙虚なのですが、ささいなことをきっかけに俺様が発動してしまう。