言葉の端々にも「(業者を)使ってやる」といった表現が出てきます。大企業の圧倒的なパワーで下請け会社を動かして仕事をしてきた様子がうかがえますが、企業の規模にかかわらず専門性やスキルが重視される世の中では、優秀な人や組織ほどそうした態度は反発を招き、周りの人が動いてくれなくなってしまいます。

 逆に、エグゼクティブとしていくつもの会社を転職し、高い実績を上げている人は周囲を自分のファンにして、自分のために動いてくれる人をつくるのがとても上手です。

 少し前、当社で転職のお手伝いをしたある候補者は、素晴らしい実績を上げていながらも謙虚な態度で、仕事に対する造詣もとても深い方でした。当社のコンサルタントはすっかりファンになり、いろいろな企業へ一生懸命売り込みに行き始めました。

 この候補者の方は、自分がどうすれば周りは協力してくれるのかをちゃんと理解しているのです。さらには、最終的に転職が決まると「本当にありがとうございました」と言って、関係者を集めて一席設けてくれたほど。そこまでやっていただくと、もっとお役に立てないかと思うのが人情です。

 そして転職から1年もたたないうちに、「人事も私が担当することになりました。ぜひご協力を」と連絡がきました。当然、我々としては一生懸命お手伝いをします。すっかりファンになっているのですから。

 仕事ができるのは左右の関係づくりができる人、ひいては自分のファンづくりがうまい人です。上下の関係しかつくれない人は今すぐ考えを改めなければなりません。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)