夫婦間の片づけ問題は
「共同プロジェクト」と思って取り組むべき

 このご夫婦の場合、部屋の状態の気になる度合いも違えば、物を捨てる基準や感覚にも差があるので、分かり合うのは非常に難しいといえます。

 こういうときは大概、潔くばっさりと物を捨てられる方の声が大きくなり、捨てられない方は「どうして捨てないの?」と追い詰められがちです。しかし、この展開に陥ると、解決が難しくなるだけです。

 夫婦間における片づけ問題は、捨てたい人と捨てたくない人の「双方の利害に配慮した共同プロジェクト」という意識を持つことが不可欠。そのためにはお互いの意識の擦り合わせが肝心です。

 では、具体的にどうやって着地点を見つければいいのでしょうか。私が整理収納のサポートの現場で実践している3つのポイントをお伝えします。

【夫婦での片づけのポイント(1)】
双方の利害を聞いてバランスを取る

 まず片づけをするにあたっては、「物が出ている方が落ち着く」「ごちゃごちゃしていても、だいたいどの辺りに何があるか自分はわかっているからこれでいい」という声も、一つの価値観として尊重されるべきです。家は住んでいる人のものなので、「世間が描く『部屋のあるべき状態』」を目指す必要はありません。

 部屋がどんな状態であれ、困っていない人には片づけようという動機がありません。動機がなければ、本来片づけの必要もありませんが、家族との共同生活を送るにあたっては、そうもいかないケースが少なくありません。

 自分が散らかしていることで、ほかの家族に不快な思いさせたり、手間を増やしたりしているなら、改善のために何かしら譲歩する必要があると考えましょう。

 また、夫婦のうち片方が現状に困っていて、片方は困っていない場合、困っている方は「自分が一方的に大変な思いをさせられている」と思い、相手だけに改善を求めがちです。しかし、そんなときは自分と、自分とは感覚の違う相手の「両者が受け入れられる妥協点」を探る“交渉”が必要です。

 今回例に挙げたケースの場合、「毎日片づけに追われて大変だ」「この状況は嫌だ、なんとかしたい」という強い思いがあったのは妻の方。一方、夫は日々の片づけはあまり気にならない大らかなタイプ。ということは、夫が負担なく片づけられる環境をつくったり、妻が日々の片づけに手間を取らなくなる状態を目指したりして、妥協点を探ればいいのです。