【B社の事例】
リーダー組織人材成長会議+1on1で
社員の成長を促す

 B社は、現在の規模に合わせた組織戦略の見直しを行い、「MSマトリクス」の活用を始めた。前述のA社はM100に達した人のインタビューを実施しているが、B社は月1回、リーダー層の参加する「リーダー組織人材成長会議」を発足させ、会社組織と人材育成にフォーカスした議論・対策立案・進捗確認を行うことにした。

B社の「リーダー組織人材成長会議+1on1」実施内容
■月1回、リーダーによる組織人材成長会議を実施
■「MSマトリクス」の模造紙ワークを行い、各リーダー判断で(1)と(2)に分類
(1)M100に到達はしていないが、目標設定ができている人
(2)まだM100に目標設定ができていない人
■(1)の人を優先対象として1on1を実施

「リーダー組織人材成長会議」は、下図のように各部門のリーダー陣が横串で情報共有しながら、全社的な課題に対してアイデアを出せる場である。全社的な課題に一緒に取り組むことで、リーダー自身の視点・視野・視座が変わり、全体最適で思考する力をさらに磨いていくことができるようになった。

「リーダー組織人材成長会議」では、全社員の成長と組織力の強化を目標に、どのように一人ひとりのM100到達をサポートするのか、さらに、M100に到達したメンバーに成功体験や修羅場体験を積ませるにはどのような場・環境を提供すればよいかなど、具体的な施策が話し合われる。その中で、「MSマトリクス」のM100未達のメンバーをサポートするために、リーダー層がメンターとして1on1対応する体制の構築を決めた。

 組織としては、全社員の「マインドセット」向上が望ましいのはいうまでもない。しかし、リーダー層が1on1の実施に使える時間にも限りがある。そこで誰を優先対象にするかが問題となるが、この場合、M100を目標にしている(1)の人を優先するほうが全社的な「マインドセット」の底上げ効果が期待できる(その理由も、第3回「組織をダメにする当事者意識の低い人は「会話」で見極められる」の中で詳しく書いている)。

 実際に、この会議の実施によって得られた成果の一例を紹介しよう。

 Yさんはやる気はあるが、子育てとの両立が必要で、時短社員として働いている女性である。フルタイムで勤務していない自分にやや引け目を感じ、「MSマトリクス」ワークの際にも、自分をM100に置くことができずにいた。しかも、「本当は会社のみんなに迷惑をかけないために転職したほうがいいのかもしれない」とさえ悩むようになっていた。

 その月の「リーダー組織人材成長会議」では、このYさんのことが上司によって報告され、対応策を会議で議論をすることになった。その成果は、次の上司とYさん本人のコメントから読み取れるだろう。