SWOT分析にPPM、定番フレームワークで「正しい戦略」は策定できるのか
「PEST分析」「3C分析」「SWOT分析」などのビジネス・フレームワークを使って、正しい戦略を導き出すことは本当に可能なのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

定番のフレームワークを使えば
正しい戦略が導かれるという幻想

 企業が戦略を策定するときにまず行うのが、「PEST分析」「3C分析」「SWOT分析」などであろう。「PEST分析」は企業の置かれた環境を明らかにし、「3C分析」では顧客・競合・自社の現状を明確にする(「SWOT分析」は、その2つを合わせた分析ともいえる)。戦略を自分でゼロから考えるのは大変なので、これらのフレームワークを利用できるのであれば、利用した方が楽である。

 しかし、フレームワークを使えば戦略が導かれるというのは幻想であり、また一見客観的に見えるフレームワークであっても、そこには作成者の意志が入っているということを忘れてはならない。

 そうした例を3つほど紹介しよう。

(1)SWOT分析

 日本企業でおそらく最も使われているフレームワークが「SWOT分析」である。SWOT分析は、自社の強み(Strength)と弱み(Weakness)、環境の機会(Opportunity)と脅威(Threat)を分析して、戦略を導き出す方法論である。……と、教科書にはそう書かれている。

 しかし読者諸氏の中で、SWOT分析によって使える戦略が導き出せた方は、どのくらいいるだろうか。多くの方にとっては、やりたい戦略がおぼろげに決まってからSWOT分析をして、上長にプレゼンしたというのが本音ではないだろうか。

 何故そうなるかを考えてみよう。たとえば読者諸氏に、「ソニーのSWOT分析をしてください」と問いかけたら、上手くできるだろうか。実は、何の事業をやるかという主語のないSWOT分析はできないのである。