有酸素運動で
部分やせできる?
有酸素運動を行っているのに、お腹周りの脂肪が落ちなくて困っている人は、有酸素運動中の姿勢とお腹の凹ませ方を見直すことでお腹の悩みはすみやかに解決できるはずです。
某有名雑誌のモデルさんを指導したときのケースで説明します。
彼女は職業柄、食事はかなり気を使ったヘルシーなもので、1日おきに約40分のジョギングを行い、それでも下腹が凹まないので、下腹に効くと教えられた筋トレにも励んでいました。洋服を着ているとまさにモデル体型なのですが、彼女のお腹を生で見せてもらったところ、確かに下腹だけ出て、脂肪もついていました。もちろん、一般女性から見ると「何をぜいたくな」という程度ですが、上腹からおへそくらいまでが細すぎるくらい細いために、下腹のわずかな出っ張りと脂肪が目立ってしまっているのでした。彼女に下腹を引っ込める動作をしてもらったところ、案の定、動きがよくありません。
モデルさんだけあって、背すじはきれいに伸びているので、肩を軽く引く動きと同時に下腹を引っ込める動きを練習し、走るときに今までよりも肩を引いて下腹までできるだけ引っ込めることを意識して走るようにアドバイスしました。
早く走ることよりも、肩と下腹を意識することを重視して走ってもらった結果、2週間ほどで彼女の下腹は凹み、目立っていた脂肪もきれいに消えてしまいました。
有酸素運動を行っているのにお腹の脂肪が落ちない人が見直すべきなのは、運動強度を下げてでも脂肪が気になる箇所を使って有酸素運動を行うことなのです。
ラジオ体操でイメージしてみましょう。ゆったりとしたテンポでのラジオ体操では、より大きな動きで体をしっかりと動かすことができます。ところが音楽のテンポが速くなるほど、ついていくのが精いっぱいになり、息は上がって心肺機能が少し刺激される反面、筋肉の動きは小さくならざるを得ません。何を重視するかで、同じ運動でも行い方は変わってくるのです。これは、ウォーキングや水泳など、すべてに共通して言えます。
有酸素運動をしているのにお腹が凹まない人は全体を意識、たるみが気になる人は背すじを伸ばすことを意識、というように、ご自分の目的に合わせ、カスタマイズして行うようにしてみてください。
何となく1時間歩くよりも、ターゲット箇所を意識しながら10分歩くほうがお腹の悩みを解決するのにはるかに効果的です。筋力や筋持久力がついてくると、同じ時間でも楽にできるようになっていきます。できるようになった結果として、お腹はさらに凹むのです。
(次回へ続く)