さらに、オフィス、プライベートにかかわらず、他人と2人で乗り合わせてしまった場合、なにか声をかけるべきなのかという問題もある。無言のまま過ごすべきなのか、それとも「今日は暑いですね」とか「今年の梅雨は長いですね」とか「今夜は満月らしいですよ」とか、なにかしら世間話をするのが成熟した大人の対応なのだろうか。

 つい先日、自宅のエレベーターで年配のご婦人と2人になったのだが、ご婦人は自分が住む階で降りる際、「ごきげんよう」と言い残し、優雅な足取りで去っていった。なんて、上品なご婦人だろう。筆者は頭を少しだけ下げて、無言で降りることが多かったため、こうした気配りにはとても憧れる。

 密室で他人とコミュニケーションをとるかどうかに関しては、結局は相手がどう受け取るかによるので、無理に話しかけても人によっては不快な思いをさせてしまうことにもなる。ならば、「それではお先に」「失敬」などなんでもいいが、去り際に上品な言葉を残すだけにして、エレベーターを降りるのが正解なのかもしれない。

商業ビルのエレベーターでのモヤモヤ

 居酒屋などが入っている商業ビルのエレベーターでもモヤモヤは発生する。

 一番多いシチュエーションは、乗ろうとしたエレベーターが満員に近かった時、どうするかという問題。すぐに「あ、我々は後から。お先にどうぞ」と乗るのを諦めてくれればいいが、とくに酔っ払っている集団は、何人かが乗り込み、重量オーバーの警報ブザーが鳴り、あたふたする、なんていう事態に陥ることがある。また、ブザーが鳴らない人数ギリギリまで乗って、残った人は次のエレベーターで、という場合のほか、乗る人数を試行錯誤して何度もブザーを鳴らし、結局、誰も乗り込まずに終わるという、無駄な時間にイライラをつのらせるだけの最悪なパターンもある。

 いずれにしても、狭い密閉空間でぎちぎちになるのは、誰もがいい思いをしないことは明らかである。終電に間に合わないなどの事情があるのかもしれないものの、エレベーターが混むことが予想される週末の夜の時間帯は、なるべく余裕を持って行動し、無理やり乗り込んで不快な思いをさせるといった無粋な行為は避けたいものである。