Aが休んでいることを知った部長が
顧問社労士に相談する

 翌日の夕方、D部長はAと面談後の状況を確認するため1課を訪ねた。そして居合わせたC主任に声をかけた。

「Aさんを呼んでくれないか?」
「Aは会社を休んでいます」
「どうして?」
「昨日の歓迎会で酒を飲みすぎて具合が悪くなったんです。明日は出社するそうですが…」

 さらにD部長がC主任と話をしていくうちに、AがB課長に半強制的に酒を飲まされ、救急車で運ばれたことを知る。D部長は驚いた。なぜならB課長から報告を受けていなかったからである。D部長は悩んでいると、顧問のE社労士のことが頭をよぎった。

「B課長は逆恨みしてAさんに仕返ししたのだろう。このまま放っておくと大変なことになるかもしれない。E社労士に相談しよう」

 D部長は自席に戻りE社労士に電話をした。そしてAとB課長の件について、C主任の話を交えながらこれまでの経緯を説明し、対処法を求めた。E社労士は答えた。

「まず状況把握をしたいので、AさんとB課長、C主任の3人にそれぞれ事情を聞いてください」

 続けてE社労士は困った声で言った。

「もしこの話が事実なら、Aさんに対してとったB課長の行為はアルハラとパワハラに当たります」
「えっ、アルハラですか!?B課長のどの部分がアルハラ行為に当たるんですか?」
「ランチ会の時、Aさんが途中で飲酒を断っているにもかかわらず、B課長が限度を超えて飲ませたり、イッキ飲みを強要したりしたことです。それが原因でAさんは病院行きになったのですから悪質ですね」
「じゃあ、パワハラは?」
「課員が全員参加する営業会議で、Aさんを意図的にメンバーに入れていないことは仲間外しになるのでパワハラです」

E社労士が
問題視したこととは…

 さらにE社労士は、問題点を指摘する。

「B課長はD部長にAさんの病院行きの件を報告するべきだったのに怠ったことと、居酒屋で営業会議や部下との面談を行ったのは、営業上の秘密が漏れてしまう恐れがあることですね」