話題のユニクロのTシャツを見るとわかりますが、KAWSのアート作品のキャラクターは独特の耳の形とバッテンの目の形が特徴ですが、体はどこかで見たことがある気がします。あくまで気のせいかもしれませんが、あの「夢の国のネズミ」と洋服や手袋、靴の形が似ていますよね。

 このように、もともとのオリジナルの商業ポスターに上描きして、新たなアート作品に変えてしまうKAWSの活動は、当初、落書きされるたびに企業が作業員に命じてポスターを元のものに貼り変えるといった、いたちごっこのようになっていました。やがて、いくつかの企業がその価値に気づいてスポンサーとなり、現在では様々なアートシーンで企業とKAWSが正式なコラボ作品を生んでいます。

 ちなみに、当初KAWSのポスターの貼り替えに奔走した作業員が、後に自宅に保管していたそのポスターをオークションに出したら、数百万円を手にすることになったという都市伝説があります。確かに、そのような初期作品があれば、私もぜひ手に入れてみたいと思います。

日本でも宗教アートは人気
関節が可動する仏像フィギュア

 少し違う例として、宗教アートをベースにした現代アート作品としては、日本にもこんなものがあります。フィギュアで有名な海洋堂に竹谷隆之さんという造形師がいらっしゃいます。この方がリボルテックタケヤという、関節が可動する仏像フィギュアを発表して、話題になりました。2012年頃の話です。

 私の実家は、多聞天が守護神になっていたことから、私はそのフィギュアを一体手に入れ、両親には「多聞天像が手に入ったから」と断って、実家の仏壇に供えておきました。フィギュアといっても木彫り風の色合いなので、木彫りの仏像と区別がつきません。

 家族もそれを知らずにお祈りしていたのですが、ある日、家庭で諍いが起きたときにこっそり仏壇の中の多聞天フィギュアに「怒りのポーズ」をとらせ、「ほら、神仏も怒っているよ」と諭したところ、逆に私が両親に叱られるという事件が起きました。