一新された尾翼尾翼は、枯れ山水をイメージしたデザインに一新。6月16日には、枯れ山水を会場中央に設置した関係者向けレセプションがパリのエッフェル塔で盛大に開催された 写真:朝日新聞社/時事通信フォト

「三菱スペースジェット」への名称変更など、「三菱リージョナルジェット(MRJ)」として慣れ親しまれてきた三菱航空機のジェット旅客機周辺が騒がしくなっている。事業化に向けた施策が固められ始めている。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

 6月16日の午後7時、フランスはパリのエッフェル塔。地上からエレベーターで一つ階を昇った所にあるラウンジ「THE GUSTAVE EIFFEL ROOM」では、翌日のパリ航空ショーを前に、とある盛大なレセプションが開かれていた。

 三菱重工業傘下の三菱航空機が開発する国内初のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の“リニューアル式典”ともいうべきレセプションだ。招かれたのは顧客となる海外エアライン関係者をはじめ、三菱商事、三井物産などの出資企業や、川崎重工業やSUBARUといった取引先の幹部である。

「相当なお金をかけたんじゃないですかね」(出席者)。レセプションは、「いい製品を造ることばかりに一生懸命な会社」(航空機産業を所管する経済産業省幹部)であるはずの三菱重工には似つかわしくないほど、ど派手なものだった。