資料は人口比率0.2%以上の自治体をランキング形式で掲載しているが、全国で塾員比率が最も高い自治体は、やはり慶應のお膝元の東京都港区である。総人口の2.83%、6811人が居住する。その他、上位には富裕層が多く住む東京特別区がズラリと並ぶ。
都外に目を転じると、上から神奈川県鎌倉市、逗子市、葉山町と、やはり富裕層の多いエリアと一致する。また、1都3県以外では、関西を代表する富裕層が集う兵庫県芦屋市がトップ。続いて高級別荘地、長野県軽井沢町だ。
「納得のいくランキング。港区アドレスの友人は5人ぐらいすぐ浮かぶが、全員テレビ局勤務だ」と言うのは、さらに別の塾員。無論、居住地だけで結論付けることはできないが、塾員の懐具合を示す調査結果であることは間違いない。
三田会にさえひそかに忍び寄る「同窓会離れ」
「権力と権威と金。三田会にいればそうした見返りが期待できる。ここが単なるお友達探しになりがちな他大学の同窓会と違う」と、冒頭の国立大同窓会幹部は言う。
だが、そんな学閥の王、三田会も他大学同窓会と共通の悩みを抱えている。それは若年層の同窓会離れだ。ある地方の「地域三田会」(同一エリアの塾員で構成される三田会)の幹部は嘆く。「東京一極集中の流れもあり、現役世代の流出が激しく、高齢者クラブのようになっている組織も多い」。
一方、一部の三田会では、世代交代の動きも出ている。その代表例が、人工知能を用いた味覚分析サービスを行う慶應発のベンチャー、AISSY社長の鈴木隆一氏が事務局長を務める「メンター三田会」だ。同会は起業を志す塾生や塾員の支援が目的だ。
鈴木氏は36歳。3年前に高級スーパーマーケット、成城石井の創業者である石井良明氏らから「若い世代へバトンタッチしなければ」と事務局長に任命された。「現在の会員数は約60人ですが、中心世代は30~40代になっています」と鈴木氏。また、塾員の人口比率ランキングトップ、港区にある地域三田会「港区三田会」などでも若年世代の幹部抜てきが起きた。