Cさん(39歳男性)は「行けばある程度の感動は予想できるが、それ以上に久しぶりに会って会話する気疲れの方が大きそうで、参加をちゅうちょしてしまった」と語っている。ちなみにCさんはちゅうちょの末同窓会に参加し、自分の予想が当たっていたことを知ったらしい。

 Dさん(43歳男性)はカースト上位の中の上位で、クラスどころか学校の中心人物といっても過言でないほどの注目を集めて青春時代を過ごした。

 学校の誰もが「Dは将来大物になるのでは」と期待した。Dさんは卒業後は起業したり怪しげな仕事に手を染めたり職を転々とし、型破りな面において周囲の期待を裏切らなかったが、最終的には近所にある小規模の会社に就職し、慎ましやかな勤め人となった。

「同窓会の誘いがあれば行くが、積極的に行きたいとは思えない。

 これは完全にカッコつけの考えだが、今の自分を見せて『あの頃のDは輝いていたけど、丸くなったな。落ち着いたな』と思われるのが悔しい。若い頃は自分に、周囲も自分自身も大きな期待を抱いていた。

 しかし当時の将来、現在となって、それに応えられなかった感が強い。今の自分はとりあえず生活できているが決して成功したわけではない。級友には成功しているのもいるから、彼らを見て嫉妬するだろうし、そうなってしまう自分がさらに情けない。今の自分はあまり周りに誇れるような自分ではないから」(Dさん)

 Dさんがカースト上位で育んできた自尊心は、おそらくさまざまな局面でDさんを奮い立たせるエンジンとなってきたはずである。

 しかしその自尊心が、自分のかつての理想像に遠く及ばない現在の自分を「かっこよくない」と断定するものだから、輝かしい頃の自分を知っていた旧友には、なおさらその姿を晒したくない気持ちになってしまう。Dさんのこの心の動きは、カースト上位ならではの苦悩といえるかもしれない。

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