例えれば、スポーツチームの監督として、適材適所のプレイヤーを選抜し、フィールドに立たせ、なおかつ勝てるチームに育てあげる力量は、当代隋一のものであり、ギネス認定された功績は前代未聞、前人未到のものである。1つのチーム(グループ)だけではなく、数えきれないほどのチーム(グループ)を創り上げた事実は、「最も多くのグループをプロデュースし、成功させた人物」としてギネス認定されてもおかしくない。

グループの中でも
V6は少し異色の存在だった

 グループの中でも、ジャニー喜多川さんが63歳の時、1995年9月にデビューさせたV6は少し異色の存在だ。

 同じグループの中に、年長組の20th Century(トニセン=坂本昌行・長野博・井ノ原快彦、デビュー時平均年齢22.0歳)、年少組のComing Century(カミセン=森田剛・三宅健・岡田准一、デビュー時平均年齢15.3歳)という2つのユニットが存在し、メンバー最年長の坂本昌行と最年少の岡田准一の年齢差は、実に「9歳」もある。同じジャニーズ事務所の嵐が3歳差、関ジャ二∞が4歳差、Hey!Say!JUMPが3歳差、Kis-My-Ft2とSexy Zoneが6歳差、King & Princeが4歳差という年齢構成を見ても、V6というグループに世代間差のあることが分かる(V6に次ぐのがTOKIOの8歳差)。

 これは、企業なら、部門横断プロジェクトに新卒社員とオーバー30(30歳すぎ)の中堅社員がいる状況で、プロ野球チームなら、同じベンチに大卒ドラ1ルーキーとベテラン時期を迎えるプレイヤーが共存する状況だ。

 年齢差は、そのまま人生経験(生きてきた月日<つきひ>数)の差であり、取り巻く生育環境や世代ごとの文化・流行の違いが異なる価値観を生む。そうして、ともすれば、異なる価値観は軋轢(あつれき)をよび、人間関係の溝を作ってしまう。だから、結束力が必要な音楽バンドや芸能グループにとって、年齢差の多寡はとても重要なのだ。

 V6の結成秘話はメンバー自身の口から語られたこともあるが、真相は定かではない。

 しかし、ジャニー喜多川さんの何らかの意思と決断で、“トニセン+カミセン=V6”というグループが創られたことは間違いなく、その後、年齢差のあるV6メンバーの誰一人も欠けることなく、およそ四半世紀もの間、活躍を続けていることは注目に値する。