大きな政府か、小さな政府か
生活保護への関心が高まる期待

 財源に関しては、収入の増大に加えて支出の削減という方向性がある。ここで驚いてしまったのは、社民党および共産党、さらに、れいわ新選組以外は「小さな政府」化を推進する方針であったことだ。

 むろん、公共部門のムダや多重行政はないことが望ましい。しかし、日本はすでに「小さすぎる政府」となってしまっている。公務員は削減され、労働条件も悪化し続ける一方だ。その現状をさらに推進すると、与野党いずれも自党の雇用政策と矛盾するのではないだろうか。「雇用を悪化させます」と堂々と主張している党はないけれども、公務員の雇用を劣化させることは、自動的に日本全体の雇用劣化に波及する可能性が高いだろう。

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 2000年代以後の日本は、2回の政権交代を経験した。野党を経験した自民党、および与党を経験した野党の成長と成熟には、目覚ましいものがある。しかし今回の政策を比較すると、「生活保護を充実させるか否か」という議論は、「もう、話題にしても致し方ないではないか」と避けられているかのように見える。

 そして、消費増税を行わない場合の税財源として法人税を語るとき、日本国外に主拠点を置くグローバル企業を対象とした増税が浮上する。私は、「『これなら日本の有権者には嫌われないだろう』ってこと?」と、思わず苦笑してしまった。どの国の企業であれ、日本で活動する以上、日本での適切な納税が求められるはずだ。もちろん、日本の大企業を例外にしてよい理由はない。

 選挙の結果がどうなるかは、いまだわからない。とりあえず、私は自分の判断のもと、投票に行くだろう。結果がどうであれ、政治に向けるべき関心を日常的に向ける人々、確かな自分の判断のもとで政治に参加する人々は、選挙のたびに増えつつあると実感している。

 そういう有権者が増えて、生活保護への関心も緩やかに高まることを期待しつつ、選挙の翌日も、私は今日と同じように仕事と向き合うだろう。

(フリーランス・ライター みわよしこ)