参院選の投開票日が間近に迫ってきた。しかし、今回の選挙は盛り上がりに欠けるという印象を多くの人が感じているようだ。その理由は明らかで、「争点」が見えないからだ。その背景は何か。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)
今回の参院選は
盛り上がりに欠ける
参議院議員選挙が7月4日公示された。21日の投開票に向けて選挙戦は終盤に入っている。これまで2回の週末を挟み、自民党安倍総裁をはじめ、各党党首クラスによる街頭演説も大都市部を中心に全国各地で行われる等、激しい選挙戦が展開されている。
とはいうものの、今回の参院選、なんとなく「盛り上がりに欠ける」と感じている国民・有権者は少なくないのではないだろうか。実際、今回の参院選の最終的な投票率が50%程度にとどまるとの予測も聞かれる。ちなみに前回が54%台、前々回が52%台、その前が約58%であるから、もし本当にそうなれば直近の結果と比べても低い投票率ということになる。
むろん、選挙は蓋(ふた)を開けてみないと分からない。参院選は2週間以上にわたるため、内外の情勢の変化に加え、選挙戦における候補者、各党幹部の言動や行動の影響を受けて、情勢が大きく変わりうるのみならず、選挙への関心が左右されることもありうる。それでも、なぜそんな話になっているのかといえば、背景として「争点が見えにくい」ということがあるようだ。
「今回の選挙の争点は?」と聞いてみれば、「年金問題」と答える人もいるだろうし、「脱原発」と答える人もいるかもしれない。はたまた「憲法改正だ」と言う人もいるだろう。
しかし三者三様で、有権者によって異なっており、なんとも定まらない。当然のことながら、争点というものは、「流行色」のように発信者側が決めるものではなく、あくまでも有権者側が「これが重要だ」と考えるものがあって、政党側がそれを踏まえて作っていくものである。