内定が出たら
「本当に辞められるのか」

 引き留めても翻意させることができないとわかると退職届を受理しない、雇用保険の被保険者証や預かっている厚生年金手帳を返さない、といった転職妨害を行う会社もあります。

 転職妨害をされると、慣れていない人は「上司が退職届を受け取ってくれないので次の会社に行けない」と慌ててしまいがちですが、何も心配することはありません。退職届を受け取ってくれないのなら、人事もしくは社長に直接送付してしまえばよいのです。

 雇用保険の被保険者証や厚生年金手帳も万が一、本当に返してもらえなかったとしても再発行できます。だから転職妨害を受けても、何も心配することはありません。

 しかしながら、いま活躍している人が会社を辞めるのは想像以上に大変であることはきちんと認識しておく必要があります。そうしたさまざまな困難を乗り越えてでも転職したいのかどうかを、転職を決める前に考えておくべきです。

 売り手市場だからといって気軽に転職活動をして内定を得たものの、強い引き留めにあってそのまま残留したら、短期的にはポジションや給与が上がるかもしれませんが、長期的な信頼関係にとってはマイナスになってしまうかもしれません。

 我々もいまの会社で活躍している候補者の方には、「内定が出たら本当に辞められますか」と最初に確認するようにしています。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)