ボリス・ジョンソン氏が英国の外相として最後に行ったのは、欧州の要人たちを多数ロンドンに集結させておきながら、自身は会場に姿を見せないという行為だった。昨年夏、ロンドン・ドッグランズ地区の会議場で待っていた他国の大臣たちの元に大量のテキストメッセージが送られてきた。それはジョンソン氏が英政府の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)対応に抗議し、外相を辞任したことを知らせていた。混乱する現場でホスト役を務めていた外務省高官のアラン・ダンカン氏は「今まさに起きていることですね」と述べたと、居合わせた人々は話している。欧州の当局者たちは笑い、一部はジョンソン氏が辞任したことに安堵(あんど)した様子を見せた。