勧誘された高齢者
無保険になった人も

 勧める時、営業職員は「新旧比較表」を示して説明する決まりになっている。

「予定利率」も比較項目のひとつだ。6%の保険が0.5%の保険になれば、どんな損がお客に発生するか、職員がきちんと説明すれば、応ずる顧客はいなかったのではないか。

「新旧比較表」の説明と併せ、顧客から「私は本書面全ページの内容を確認し、申し込みプランが私の意向に合致していることを確認しました」という誓約を取る。

「ご意向確認書」と呼ばれる書面だが、ここに署名・捺印させれば、あとでトラブルが起きても顧客は文句を言えない。「説明は受けている。分からなかったのは自己責任」となる。

 損な乗り換えを勧められた人の多くは高齢者である。乗り換えに応じてしまった後にも問題が起きた。

 新しい契約をしたが、後になって健康診断ではねられ、結果的に無保険になった例が続発している。

 保険に当初、加入した時は元気でも、30年近くたつとあちこちにガタが出る。かんぽが指定する病院で検査をすれば保険に入れない人が出るのは、十分予想できたことだ。

 新旧比較表に小さな字で次のように書かれていた。

「現在の保険を解約した場合は、新たなご契約が成立しなかったとしても、解約した保険は復元できません」

 無保険になる人が出ることを予想していたような注意書きである。

「入院なら初日に5日分が出ます」といううたい文句につられて契約した結果が無保険。乗り換えに応じていなければ病気になっても保険で守られていた。

 かんぽは顧客から「お宝」をはぎ取り、裸にして放り出したようなものだ。

ゆうちょ銀行の投信販売
「ルール無視」でも調査せず

 かんぽ生命、日本郵便、日本郵政の3社は社外の弁護士による特別調査委員会(第三者委員会)を設置し「事実を確認し、原因を徹底的に調査する」と発表した(7月24日)。

 メンバーは検察庁OB3人、いわゆる「ヤメ検」による検証作業が始まる。

 だが、この第三者委員会には、決定的な「手抜き」が潜んでいる。

 調査の対象を「かんぽ生命の保険商品の取り扱い」に限定したことだ。

「かんぽの不正」に話題が集中しているが、「不正販売」はゆうちょ銀行の「投資信託販売」でも問題になっていた。