「知」「人」「金」のバランスが悪いと
「起業難民」から抜け出せない

 起業したいと思っても、起業できずにくすぶり続けている人たちを「起業難民」と呼んでいます。起業を目指す人が増えているためか、起業難民も増えているのが昨今の状況です。

 起業難民になってしまう理由は、起業に必要な3種のチカラ「知」「人」「金」のバランスが悪いからです。

 何年もさまざまな起業セミナーに出るだけで、それ以上、何もしない人もいます。ノウハウをメモし続けても、何もしなければ何も起こりません。「知」だけが突出してしまうパターンです。

 交流会が大好きで、永遠に「起業準備中」という名刺を配り歩いていたり、会うたびに違う肩書の名刺をくれたりする人もいます。つまり、話すことが楽しくなってしまい、起業への行動を何もしていないのです。「人」だけが突出している、それも、弱い人脈だけが増えてしまっているパターンです。

 もうひとつ、「金」についてのブロックは、なかなか厄介です。

 起業したいと思っているはずなのに、お金を一切使わない人がいます。使うとしても、最低限の額を渋々使うだけ。まるで、デパートに行く交通費だけは使うけれど、見るだけで買い物はしない、レストランにも絶対に行かず、ランチは地下の食料品売り場の試食品で済まそうと決めている人のようです。

 実際には、そんな試食品で済ます人はいないと思いますが、起業について、そのような思考でいるために「起業難民」化している人がたくさんいるのです。