ポピュリズムは、財政バラマキや排外主義、タカ派的な安全保障を訴えて台頭してきた。重要なのは、ポピュリズムが選挙という民主的なプロセスを通して支持を拡大してきたことである。「大衆」が、たぐいまれなる扇動の才覚があるポピュリストの台頭によって動員された結果、既存政党は選挙では、規制緩和や歳出の削減、福祉支出削減など、「国民に不人気だが必要」とみなす政策を訴えにくくなっている。

れいわ新選組は「諸派」にすぎず
日本新党や民主党ほどの勢いはない

 だが、日本ではポピュリズムは広がっていない。中道左派だった民主党が台頭して政権を獲得した時期、自民党のさらに右側に「次世代の党」など右派ポピュリズム政党が出てきたことがあった。しかし、現在ではほぼ消滅した。日本維新の会は、保守というよりも進歩的な改革を志向しており、極右とはいえない。

 一方、左派ポピュリズム政党については、7月の参議院選挙で山本太郎代表率いる「れいわ新選組」が比例代表で200万票を集めて2議席を獲得した。「消費税廃止」という分かりやすいメッセージが人気で、山本代表の街頭演説は常に数千人規模で聴衆が集まっている。4月の結党以降に4億円以上の寄付金を集めたという話もある。山本代表自身は当選できなかったが、次期衆院選で100人以上を擁立し、政権交代を狙うと宣言した。

 ただし、れいわ新選組は、かつて日本新党や民主党が登場した時に比べて勢いがあるわけではない。日本新党は1992年の参院選において比例代表で360万票を集め、細川護熙代表や小池百合子現東京都知事を含む4議席を獲得した。96年の衆議院選挙で、結党直後の民主党は52議席を獲得している。現時点では、れいわ新選組は「諸派」の1つにすぎず、「左派ポピュリスト政党が遂に日本に誕生した」と評価するのは時期尚早だ。