• 市場に織り込まれた最悪シナリオ• 市場に織り込まれた最悪シナリオ債券投資家は最悪のシナリオに固執しがちだが、過去2週間もその傾向がみられた。世界中で債券価格が上昇し、利回りが低下し、30年物米国債の保有者は10営業日で、債券としては破格の8.4%のリターンを獲得した。企業利益や金融引き締めをめぐる懸念は、10年物米国債利回りが7日に1.6%まで低下するに至った事態の説明にはならない。特にこの1週間は、アジアの中央銀行3行が予期せぬ形で利下げを発表した。迫りくる景気後退の影、米中間の貿易摩擦の激化、あるいは他国を巻き込んだ地域紛争につながりかねない香港での抗議運動に対する中国軍の対応など、市場の脅威は他にも存在する。あるトレーダーは7日、顧客向けのレポートに「グローバル市場はハルマゲドンを予想している」と書いている。