そこで、というわけでもないがマッチングアプリの出番である。最近知り合いのアラフォー独身男性数人が、同時多発的に「彼女ができた」と言うので馴れ初めを聞くと、口をそろえて「マッチングアプリ」と答えた。ネットを介する出会いが2019年時点でものすごく浸透するようになったというわけではなかろうが、「それなりに浸透し始めている」と見て差し支えないであろう。

 一昔前は同じ類いのもので“マッチングアプリ”というより“出会い系サイト”が主流で、肉欲にまみれた知り合いから武勇伝を聞くと同時に、周りには出会い系のサクラのバイトをやっているバンドマンなんかもうじゃうじゃいて、“出会い系”は端的に言ってはなはだ胡散臭(うさんくさ)かった。

 今も主に性のために利用される出会い系サイト、もとい出会い系アプリは依然としてあるのであろうが、清い交際を前提として成立しているマッチングアプリの方もかなり台頭してきている印象である。なんでも大手サービスやきちんとした運営会社では、新規入会の際に身分証の提示を求められるなどするらしいので、かなり健全化が進んでいるようである。

 さて、マッチングアプリは果たして何がいいのか。利用者の独身男性らにその種のアプリの利用方法や利点についてインタビューを行った。

ナンパしまくり男性
アプリを使ってより健全な出会いを

 Aさん(36歳男性)はかなりのつわもので、出会いに事欠かなかった。昔ながらのナンパを、ほとんど場所を選ばず行う胆力があった。しかし駅前でターゲットを物色して声をかけるようなナンパ師とはやや趣が違う。Aさんが声をかけるのは「街でビビッとくる女性を見かけた時ならいつでもどこでも」であり、それは電車、コンビニ、飲み屋、道端であった。

 見知らぬ女性に声をかけている時点でおそらくチャラいのであろうが、Aさんは見かけがまったくチャラくなく、また一夜の関係が主目的になることもなかったので、彼を知る身としては彼を単に「チャラい」と形容するには違和感が残る……という人物である。

 このAさんがマッチングアプリで彼女を作った。アプリでできた彼女は2人目だそうである。アプリと、Aさんが日常的に行っていたナンパの違いは何か。

「出会いはアプリの方が圧倒的に楽。あまりそう思われていないかもしれないが、これでもナンパで声をかけて断られた時は落ち込む。ナンパする時は自分はなるべく紳士的に、相手の迷惑にならないように心がけているつもりだが、心ない言葉を浴びせられることもある」(Aさん)