ロシア国内線への乗り継ぎは
JALに軍配

 ANAは路線開設の狙いとして、日本とロシアの流動拡大に貢献すること、ANAグループ全体の事業戦略であるホワイトスポット(未就航地)へ進出することなどを挙げる。ウラジオストクへの日本人旅行者が激増しているだけでなく、ロシアからの訪日客も右肩上がりで、18年は約9万4800人(対前年比23%増)で過去最高を記録している。加えて、水産漁業や自動車、造船、エネルギー関連などのビジネス渡航需要も見込んでいるという。

 ANAのロシア路線は1989年~2000年にかけて、成田~ロンドン線、成田~パリ線、関西~ロンドン線、関西~ローマ線における「経由地」としてモスクワに就航したが、直行便の実績はない。ウラジオストクがロシアへの初の直行便となる。「昨年から入念に、路線開設の準備をしてきた。JALよりうちが、『先』に飛ぶはずだ」と複数の関係者が「初」を語る正当性を強調している。

 一方、JALは東京~モスクワ線を50年に渡って運航してきた。ウラジオストクはロシア路線としては2路線目だ。発着時間(成田発11時20分~ウラジオ着14時45分、ウラジオ発16時25分~成田着17時40分・夏ダイヤ中)と使用機材(ボーイング737‐800)、ビジネスクラスとエコノミークラスの設定も決まっている。

 加えて、同じ航空アライアンスのワンワールドに加盟するS7航空(シベリア航空)とのパートナーシップを通じて、ウラジオストクから先のロシア国内線、ハバロフスクやユジノサハリンスク、イルクーツクなどに接続する。「極東ロシアは日本から近いわりにアクセスの選択肢が少なく、不便だった」(エネルギー関連関係者)。こうしたことも踏まえると、航空会社のネットワークの拡充という意味では、JALに軍配が上がるといえよう。