フライト2時間半の「安近短」
家族で2泊3日旅に行ってみた

 そんなウラジオストクだが、実際どういう場所なのか。安近短旅行(費用が安く、距離が近く、日程が短い旅行)の行先として、楽しめるのか。

 記者は17年のビザ緩和と「2時間半で行けるヨーロッパ」の評判にひかれ、18年9月末にウラジオストクを家族(30代夫婦+2歳の子供)で訪れた。

 18年9月上旬にウラジオ旅行を思い立ち、旅行予約サイトのエクスペディアで検索。成田~ウラジオ線が最も安かったオーロラ航空(現在は同路線は運休)を予約した。9月末の金曜日に出発し、3日後の日曜日に帰国するフライトスケジュールで、家族3人の航空運賃は合計約16万円だった。海外旅行にしては直前予約だったので、早目に計画すればもっと安い航空券があっただろう。ホテルは立地を重視し、1泊1万円程度の、地元の中級ホテルを予約した。

 ビザもインターネットで申請手続きできる。「ロシア電子ビザ申請サイト」には日本語があるので、順を追ってパスポート番号などを入力すればいい。顔写真のアップロードは写真サイズを指定通りに合わせる必要があったが、何とかクリアできた。

オーロラ航空のプロペラ機Photo by R.Y.

 出発当日、午後2時発のオーロラ航空に乗った。飛行機はボンバルディアのDHC8-Q400。ターボプロップエンジンのプロペラ機だ。国際線をプロペラ機で飛ぶのは初めての経験で胸が高鳴った。機内は70人乗りでほぼ満席。小型機なので、背の高い客室乗務員の帽子が天井についていた。

 現地時間の午後6時に到着した(日本と1時間の時差がある)。ここでウラジオ旅行の「注意点」の一つにぶち当たる。空港~市内をつなぐ鉄道「アエロエクスプレス」の最終便が午後5時台のため、乗れなかったのだ。1日5往復程度と本数が少ないので飛行機の時間によっては利用しにくく、ミニバスかタクシーの選択肢になる。ミニバスは所要1時間20分。タクシーを選択し、40分ほどで市内に着いた。

Photo by R.Y.
ウラジオストックの教会Photo by R.Y.

 翌日は朝から観光に繰り出した。前評判通り、レンガ造りの街並みや歴史を感じる建築物が並び、緑が多く、近代的な高層ビルはほとんどない。まさに「ヨーロッパ」である。キリル文字や、街中に銅像が多いことに、「ロシアらしさ」を感じた。ロシア正教の教会はとても美しかった。

 観光の合間に立ち寄った海辺の小さな遊園地は、子連れにぴったりだった。デザインや色使いが日本には無い雰囲気だ。

ウラジオストク 遊園地Photo by R.Y.

 ウラジオ旅行の魅力の一つが、本場のバレエやサーカスを観られること。ロシアを代表する劇場でサンクトペテルブルクにあるマリインスキー劇場の支部ステージがウラジオにあり、バレエやオペラを観劇できる。旧ソ連時代から40年続くウラジオストク国立サーカスの常設劇場もある。

ウラジオストク 人形劇Photo by R.Y.
ウラジオストク 人形劇Photo by R.Y.

 サーカスは残念ながら日時が合わなかったので、人形劇を観ることにした。数人の俳優と人形がコミカルに動き、大人も子供も約1時間、言葉が分からなくても飽きることなく楽しめた。

ウラジオストク イクラクレープPhoto by R.Y.

 旅の楽しみといえば食事。港町なのでシーフード(グリルやボイルした盛り合わせ)が名物であり、その他ボルシチやピロシキ、ビーフストロガノフ、サーモンやニシンのマリネ、ペリメニ(ロシア風餃子)など、ロシア料理をひと通り食べた。街には中央アジア料理のレストランも多く、観光客向けの中華や韓国料理屋もあるので、食事に困ることはない。イクラやキャビア、ウォッカやジョージアワインが安いので、ホテルの部屋で楽しむのもオツだ(ただし、イクラの「醤油漬け」はない)。

 ウラジオならではのイクラの食べ方としておススメなのが「イクラ・ブリヌイ(ロシア風クレープ)」。イクラの塩気とクレープの甘味が絶妙にマッチして、ロシアンティー(ジャムや蜂蜜入り紅茶)にもよく合う。人によって好みは分かれるだろうが、記者は美味しく食べた。