評価制度や人事制度による
無言の力

 これは前回お伝えした『「緊急で重要な問題」ばかりを優先すると、組織がダメになる理由』『「緊急で重要な問題」に振り回される人は、実は仕事ができない理由』にも当てはまる。

 組織のみならず、営業が自らの目標達成や評価に気を取られ、半年スパンでしか物事を考えられないようになると、長期にわたる持続的な成長は見込めなくなっていく。

 例えば、中長期的な視点で「緊急ではないが重要な問題」である「新規の顧客開拓」とそのための「マーケティング施策の企画立案と実行」がおろそかになり、将来、業績目標の達成が困難になることがある。

 この背景には、営業を近視眼的な発想にさせてしまう評価制度や人事制度も影響を及ぼしている。

 ここに関して、見落としてはならない点が、

・多くの社員は、自らの評価を高めるために、自らの思考や行動を勤務先の評価制度に合わせようとする。
・上司が何も言わなくても、社員はそのように動いてしまう。

 ということだ。

 評価制度や人事制度とは、無言ながらそのような力を持つのだ。

重要なキーワードは
「顧客」である

 昨今、企業のコンプライアンス順守が叫ばれている。

 にもかかわらず、コンプライアンスに反する保険の契約獲得や粉飾決算等の不正会計、自社データの改ざん、消費期限の偽装、景品表示法違反、個人情報の流出などの事件が後を絶たない。

 特に保険の契約獲得など、営業にノルマが課せられる状況では、営業の評価の仕組みが、営業をコンプライアンス違反に陥れることがある。