そのため、営業実績の水増し目的で、同じ顧客に短期間で契約と解約を繰り返す手口(通称・ニコロ)が一部で横行する温床になっていたのだ。

不適切募集をなぜか未然に
防ごうとしない日本郵便とアフラック

 保険料が2度支払われれば、実績が消滅しないという規定がある限り、不適切な販売が構造的に発生してしまうため、ダイヤモンド編集部の調べによると、日本郵便は今後、消滅規定をより厳しくする方針だ。

 そもそもがん保険では、契約から半年以内の解約は販売手数料を100%返す(戻入する)規定になっており、営業実績も戻入規定に準じた内容にできれば、不適切販売の抑止につながるとみられる。

 がん保険以外に、日本生命保険や三井住友海上プライマリー生命保険、住友生命保険などが販売委託している商品についても、不適切な販売が生じないよう、営業実績の規定について見直しを検討している。

 営業実績など募集体系の見直しを進める一方で、日本郵便とアフラックはがん保険の営業自粛は「現時点で考えていない」という。

 一部の郵便局では、かんぽ商品などの営業自粛を受けて、がん保険における事実上の営業ノルマが8月は2割増しなっているといい、不適切な販売が足元でさらに起こりやすくなっている。

 日本郵便は「そうした指示は本部として出してない」と説明するが、本社が現場をグリップできない状況で、果たして積極的な営業を続けるべきなのかどうか。

 日本郵便に対し積極営業を強く主張しているアフラックも含めて、そうした姿勢は目先の数字にとらわれ、信頼回復への道を自ら閉ざしているように見えてならない。

(ダイヤモンド編集部 中村正毅)