出店地域に“血の雨”が降る
西から進む淘汰の嵐

 コスモス薬品は2004年に九州以外で初となる店舗を山口県山口市で開店して以来、中国、四国、関西、中部へと東進を続けてきた。

 関ケ原を突破した今、コスモス薬品が見据えるのは巨大人口を抱える肥沃な関東平野の攻略だ。今年に入り、広尾駅店(渋谷区)、中野サンモール店(中野区)、西葛西駅店(江戸川区)と都内に3店舗を開店している。

 だが、この3店舗はいわゆる都市型の小規模店であり、コスモス薬品からすれば、インバウンド集客や調剤併設型を試す実験的な「副業」(同社の横山英昭社長)にすぎない。彼らの「本業」は、自らの力を存分に発揮できる売り場面積1000平方メートル超の郊外大型店の展開だ。

 コスモス薬品の急成長を支えるのは、徹底した低価格路線とそれを支えるローコストオペレーションにある。

 「毎日安い(エブリデイ・ロー・プライス)」戦略を掲げ、販促を一切行わない。特売のための値札の張り替えや無駄な陳列作業を廃することによりコストを可能な限り抑制し、小規模商圏での多店舗展開で物流や店舗作業の平準化を徹底する。

 コスト抑制の徹底ぶりを示すのが販売管理費の低さだ。19年5月期の販管費率は約16%。小売業の大半が20%を超える中で群を抜いており、業界最低水準の粗利率にもかかわらず247億円の営業利益を確保している。

 食品の売り上げ構成比の高さもコスモス薬品の特徴だ。19年5月期は56%に達し、最大手グループのツルハホールディングス(HD)やウエルシアHDの22%を大きく上回る。ドラッグストアというより食品スーパーに近い業態であり、これにより消費者の来店頻度を高めているのだ。