アップルにとって都合の悪いことに、新型iPhone(アイフォーン)を発表しようとしている今、絶好調なのはiPhoneという名がつかない製品だ。パソコン「Mac(マック)」やタブレット型端末「iPad(アイパッド)」のほか、腕時計型端末「アップルウオッチ」やワイヤレスイヤホン「エアポッズ」などウエアラブル製品は、2019年度の第3四半期末(18年10月~19年6月)までにいずれも売上高が増加している。特にエアポッズのようなアクセサリーは飛ぶように売れている。アップルは4-6月期(第3四半期)の決算発表で、エアポッズの「驚異的な需要」が追い風になったと説明した。だが残念ながら、iPhoneはそれほどの熱気に包まれてはいない。6月までの9カ月間の売上高は前年同期比15%減少した。アップルはある程度、事業の多角化に成功している。直近12カ月の売上高にiPhoneが占める比率は56%と、3年前の64%から低下した。それでも、iPhoneの販売不振は同社に重くのしかかっている。iPhone以外の事業全てが売上高を伸ばしているにもかかわらず、19年9月期のこれまでの総売上高は前年同期比3%減少している。
アップルに欠かせぬ数々の脇役、主役のiPhoneに陰り
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