最新刊『医者が教える食事術2 実践バイブル』も好評、すでに88万部を突破した『医者が教える食事術』シリーズ。「金スマ」に著者・牧田善二医師が登場するたび新たな食の真実が紹介され、大反響を続けている本作ですが、5回目の登場となった今回も「お酒に酔わないために飲んでいた乳製品は意味がなかった」や、「イライラ防止に慌ててカルシウムを摂っても効果なし」など、驚きの新事実が登場。スタジオが「うそ~」「マジで~」と大いに盛り上がった、これまでの常識を覆す最新の医学的に正しい「食べ方」を解説します!
まだ信じられない?カロリーの摂りすぎでは太らない
これまで、「金曜日のスマイルたちへ(金スマ)」4度の放送で、さまざまな食の新常識を伝えてきた『医者が教える食事術』シリーズ著者、牧田善二先生。5回目となった今回も、さらなる「食の間違い」にスタジオからは「え~マジで?」「ウソ~!?」の声が。今回は、第2弾『医者が教える食事術2 実践バイブル』の中から、番組で紹介された新たな真実をピックアップしてお届けいたします。
まず、過去4回の放送でも繰り返し述べられていたように、牧田先生曰く「太るのはカロリーのせいではなく、糖質を摂りすぎているから」。そのため、これまでも、「何もつけていない食パンより、バターをたっぷり使ったクロワッサンのほうが太りにくい」や「太りたくないからと肉の脂身を外すのは無意味」などの情報が伝えられてきました。そして今回、『医者が教える食事術2 実践バイブル』にも掲載されているある研究結果で、スタジオの「太るのはカロリーか糖質か?」論争に決着が!?
「トップジャーナル『THE NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE』(2008年)に掲載された研究によると、すでに「肥満の原因はカロリーの摂りすぎ説」は過去のものとなっています。
本研究は、2年間、322人の中等度の肥満者を対象に、次の3つのダイエット法に分けて比較したものです。
(1)低脂肪でカロリー制限 男性1日1800カロリー、女性1日1500カロリーとし、エネルギーの30%を脂肪から摂取。ただしその10%は飽和脂肪酸。
(2)地中海食でカロリー制限 男性1日1800カロリー、女性1日1500カロリーとし、エネルギーの35%を脂肪から摂取。ただし、そこに30~45グラムのオリーブオイルと5~7個(20グラム以下)のナッツを含む(地中海食とはイタリア、ギリシャなど地中海沿岸諸国の伝統的な食事オリーブオイル、全粒穀物、野菜、果物、豆、ナッツが豊富。乳製品、魚、赤ワインも食す)。
(3)低炭水化物食 カロリーは無制限で、最初の2カ月は1日の炭水化物量を20グラムに制限。徐々に120グラムまでに増やしていく。
ちなみに、1日120グラムでも非常に少なく、平均的日本人は1日300グラムを超える炭水化物を摂取していることを頭に入れておいてください。
さて、この研究の結果は以下のグラフ通りです。
カロリー制限をまったくしなかった低炭水化物食で最も減量効果が高く、脂肪を減らした低カロリー食がずば抜けて成績が悪いことがわかりました。
つまり、すでに「やせるためにはカロリー制限ではなく糖質を減らすことが必要だ」とはっきり勝負はついているのです」(『医者が教える食事術2 実践バイブル』より)
ちなみに、同研究の数年後のフォローアップ研究で、低炭水化物食(脂肪が多い食事)ではコレステロールが下がり、心筋梗塞なども多くないという安全性も確認されています。
また、カロリー制限より糖質制限の方がはるかに健康に寄与する(死亡リスクを下げる)というデータも、2017年にトップジャーナルの『LANCET』に掲載されたPURE研究によって証明されています。