「僕は別にどっちでもという感じだったので、妻がそう言うならそうしようかなと。一応事実婚と法律婚の違いを調べましたけど、デメリットも『まあこれくらいなら全然いいんじゃない?』という話になって。それで今に至ります」(Cさん)

「結婚前は夫と同じバンドのメンバーで付き合いも長いので、他のバンドの仲間が集まった飲み会に参加すると周りに『結婚しないの?』と聞かれることが多かった。

 同棲の関係のままで全然いいと考えていたため、いちいちそのことを説明するのがわずらわしく、『もう結婚した方が周りも納得するし私たち自身楽そうだ、じゃあ事実婚にしよう』となった経緯がある」(Bさん)

「事実婚にしてよかったです。いろいろ楽でいいので(笑)」(Cさん)

 深刻で哀愁漂うAさんと違い、BさんCさん夫婦は実にライトに事実婚を選択したようである。

 近年の日本は“婚活”なるワードがすっかり浸透しきったほどの婚活ブームであるが、当然のことながらその“婚活”は法律婚のことを指している。

 LGBTの同性結婚に関して日本は後進国であるが、流れを読むに漸次整備が進められていくことであろう。欧州諸国のたどった道を参考に見ると、LGBT向けの結婚制度を異性カップルも利用するようになり、同時に事実婚への価値観も変わっていった。

 してみると、LGBT向け結婚制度の内容いかんによっては、将来日本でも事実婚が増えていく可能性はある。