130億ユーロ(約1兆6000億円)の追徴課税を巡る米アップルと欧州連合(EU)の戦いは、司法の場へと移った。その結末はアップルとEUの双方にとって、あまり喜ばしくないものになるだろう。「租税逃れ」とみるEUのハイテク大手たたきは、ここにきて米国とEUによる巨額の税収獲得争いへと姿を変えた。ドナルド・トランプ米大統領との貿易戦争の回避を目指す欧州当局者にとって、こうした状況の変化は厄介な問題だ。アップルは今週、同社とアイルランドが結んだ租税合意はEU法違法とした2016年のEU決定を覆すよう、欧州の裁判所で争っている。EUの決定は、複雑な構造を駆使して節税を図る多国籍企業を取り締まるマルグレーテ・ベステアー欧州委員(競争政策担当)が築いた一里塚だった。
アップルのEU追徴税バトル、勝訴でも負けの皮肉
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