実はこのメカニズムは、「上から目線の人」を作り出すメカニズムと全く同じだ。このことをワシントン州立大学が研究で証明している。

 この研究では、200人の学生を対象にさまざまなアンケートやIQテストなどを実施した。

 そして、回収したアンケートを分析したところ、

 ・「人間は頑張れば将来変わっていけるし、能力も知性も変えられる」と思っている人と比べ、「人間はそもそも頑張っても変われない。能力も知性も変えられない」と思っている人の方が仕事で他人にダメ出しをする、上から目線になる

 ということがわかった。

自分に自信がないと
一層失敗を回避しようとする

「人間は頑張っても変われない」という強固な信念を持つ人は、「頑張っても変わらないのだから、無理をしちゃいけない、失敗をしちゃいけない」という危機回避の心理が働き、結果として簡単な作業しかやらなくなる。

 さらに、自分に自信がないと、一層失敗を回避しようとする。

 そして、簡単で単純な作業をたくさん抱え、もしくは自ら簡単な作業を作り出して自分の時間を減らしてしまい、「自分は忙しい、時間が足りない、自分はとても仕事をしている、だから自分は仕事ができる人だ」と勘違いしていく。

 考えない人が勘違いしたまま昇進したら、自分が正しいことを証明されたような誤解を生み、その信念は一層強固になる。

 このような人は、皆様の勤務先にも顧客の中にもいるのではないだろうか。

 この「上から目線の人」と「考えない人」の背景には、

 ・失敗しちゃいけない
 ・危機を回避したい
 ・責任を取りたくない

 などと、共通する心理が働いている。

 これは多かれ少なかれ、誰しもが思うことだろう。

 そして、これまで見てきたように「考えない人」が生み出す結果が、企業や組織に望ましくないことがあるのだ。

 とはいっても、私たちも「考えない人」になってしまいかねない危険はある。