マツダが行ったシニア世代の希望退職は、途中で方針が変わって500人で打ち切られた。先着順を争う“クリック競争”による椅子取りゲームはなぜ起きたのか。そして、退職できた人とできなかった人の運命の分かれ目はどこにあったのか。特集『黒字リストラの恐怖!部長&課長を襲う希望退職と役職定年の絶望 出世・給料の残酷』の#3では、担当記者が動画でテキスト記事では報じなかったマツダ関係者の証言なども明かしながら解説する。(ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)

“一抜け”して待遇が上がった人がいる一方
「辞めようとしていた」と会社に知られながら残る社員も…

――マツダの希望退職で起きた「応募クリック競争」問題の概要を教えてください。

 マツダは今年、希望退職制度を導入したのですが、6月に1回目の募集を行い、そこで上限500人の8割以上に当たる410人の応募がありました。当初は上限の500人を超えても受け入れるというスタンスを示していいましたが、2回目の募集の直前になって、やっぱり上限の500人ぴったりで募集を打ち切るという方針の転換を行いました。

 そして、残り90人の定員に対して、会社が取った応募方法が「先着順」というやり方でした。12月1日の午前8時に社内サイトにて先着順で受け付けるという方式で、「いかに早くクリックをして応募できるか」を競うものになったことが問題となりました。

――この動画の見どころポイントを教えてください。

 リストラは、勤めている人にとって今後の人生設計を左右する非常に大きな問題です。もちろん、リストラを断行する会社側にとっても凄く大きな決断となります。リストラという大きな岐路に立った時に双方、どんな振る舞いをするのが一番いいのか、今回の問題を紐解くことで様々な教訓が浮かび上がってきます。

 記事にはできなかった関係者の声も交えて、私の感じたこともお話します。

――その「クリック競争」はどうなったのですか。

 全部で5回のクリックをすると応募ができるという仕組みだったのですが、私の聞く限りでは20秒から30秒で定員に達し打ち切られたそうです。

――2回目の募集方法が「クリック競争」だった一方で、1回目に応募した人は、すんなりと割増退職金をもらえて退職できていますよね。

 マツダにいた時よりも、さらに待遇が良い会社に転職できたという関係者の話もあります。この方は積極的に転職活動をしていたわけではなかったのですが、以前から転職支援サイトに登録はしていました。4月にマツダの希望退職制度の知らせが届き…

動画のフルバージョンでは、マツダが行った先着順を争う“クリック競争”による椅子取りゲームはなぜ起きたのかを掘り下げます。そして、退職できた人とできなかった人の運命の分かれ目はどこにあったのか、関係者の声を基に、担当記者が解説します。
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