オーナー自身の深夜出勤はザラにある
便利さの裏の過酷なタイムスケジュール
下表は、あるコンビニの1日のタイムスケジュールである。深夜のシフトに入っていたアルバイト従業員が“ドタキャン”し、オーナーが急きょ出勤を強いられることも珍しくない。
アルバイト従業員のドタキャンにより、午前0時にオーナーが急きょ出勤。午前1時からはワンオペになる。日中よりも客は少ないが、業務は山積みだ。フライヤー(揚げ物を調理する機材)を洗浄し、次々と納品されるパンや飲料、雑誌や新聞を一つ一つ検品し、陳列していく。その間に客が来たらもちろんレジで会計をする。
朝を迎え、朝食を買い求める客が訪れるころには、前日から寝ていないのでフラフラだ。
ぼんやりした頭で、午前11時に待っているのは商品発注。少しの間違いが大きな損失につながるので、気を緩めることはできない。その後ようやく帰宅し、3時間程度眠りにつく。しかし、夕方から深夜までのアルバイトも足りていないので、再び自ら出勤して商品を陳列し、客を迎える。
深夜に高い時給を払ってアルバイトを増やすと、今度は利益が圧迫されてしまうので、やむを得ず自分で店に立つ……、というわけだ。
「働き方改革」がにわかに進む昨今、このような‟働き方“が正常だと考える人はほとんどいないだろう。ただ、便利さの裏側でこうした日常を過ごしている人々がいるのもまたコンビニ業界の現実である。