経済産業省の本事業についての説明資料にも次のように記載されている。

「本支援を実施することで中小・小規模事業者における消費喚起を後押しするとともに、事業者・消費者双方におけるキャッシュレス化を推進します。」

「本事業により、2025年までに民間最終消費支出に占めるキャッシュレス決済比率40%を実現します。」

キャッシュレス決済の導入推進が
一番の目的

 一応消費喚起とは書かれてはあるものの、キャッシュレス決済の導入推進が一番の目的であるようにしか読めない(霞が関語の世界では、「~とともに」という接続語が使われている場合は、その後に来るものの方が重要である)。

 そもそもキャッシュレス決済によることを、ポイント還元の条件とすること自体おかしな話だ。

 しかも、ポイント還元の実施期間は9ヵ月限定である。やはり真の目的は、手数料負担から、中小・零細事業者を中心になかなか導入が進まないキャッシュレス決済の導入促進を図ること、と考えるべきであろう。

 別の見方をすれば、ポイント還元による集客やカード利用手数料への補助金をインセンティブにしつつ、実質的にはカードインフラを導入・利用することを強制しているのと同じようなものである。

 先にも述べたとおり、キヤッシュレス決済インフラ利用に係る手数料は、この期間中は上限が3.25%で一部を国が補助するとされているが、期間終了後の手数料設定は自由である。

 極論すればキャッシュレス決済事業者の意のままにできる。キャッシュレス決済事業者が手数料を引き上げる可能性は否定できず、事業者の負担増は避けられなくなる可能性が高いだろう。

 しかし、一度キャッシュレス決済インフラを導入し、お客さんもそれに慣れてしまった状況で、特に中小事業者は、手数料を上げるならキャッシュレス決済はやめますと簡単に言えるだろうか?(優越的地位の濫用に該当する事例が出てくる可能性すらあるのではないか、との声もある。詳しくは後述)。