特捜部は同12月10日、16年3月期から18年3月期までの3年間分も役員報酬が計約72億円だったのに、計約29億円と過少申告したとして再逮捕していた。

 特捜部は両容疑について、いずれも起訴した。

 起訴状によると、ゴーン被告は11年3月期から18年3月期の計8年間の役員報酬総額90億円余を過少に申告したとされる。

 3回目の逮捕は昨年12月21日。リーマンショックの影響で生じた私的な投資の損失を日産に付け替えたという、会社法違反(特別背任)容疑だった。

 逮捕容疑はオランダにあるゴーン被告の資産管理会社と日本の銀行との間で契約していた、デリバティブ(金融派生商品)の一種「スワップ取引」で損失が発生。08年10月、契約者を資産管理会社から日産に変更し、18億5000万円に上る評価損の負担義務を日産に負わせた疑い。

 起訴状では、評価損の付け替えのほか、契約者を資金管理会社に戻す際、信用保証に協力したサウジアラビア人の会社に、09年6月から12年3月までの4回、計1470万ドル(当時のレートで約12億8400万円)を日産の子会社「中東日産」から入金させたとされた。

 4回目の逮捕は今年4月4日。日産の資金を自身が実質的に保有する投資会社に送金させて損害を与えたという会社法違反(特別背任)容疑だ。

 逮捕容疑は15年12月から18年7月にかけて、中東日産からオマーンの販売代理店「SBA」に計1500万ドル(約16億9800万円)を支出させ、このうち計500万ドル(約5億6300万円)を投資会社の銀行口座に送金させ、日産に損害を与えた疑い。

 起訴状では、17年7月から18年7月にかけて、中東日産からSBAに計1000万ドルを支出させ、このうち計500万ドルを投資会社の口座に送金させ損害を与えたとされた。

 この4月22日の起訴で特捜部の捜査はほぼ終結。東京地検の久木元伸次席検事は同日の記者会見で「有罪を得られるだけの証拠を収集できた」と述べた。

 弘中惇一郎弁護士は報道陣に「全面的に争う」と表明。そして、ゴーン被告については「黙秘している」と明らかにした。