トヨタの歩行領域EV
2020~2021年量産に向けて開発進む

 国際福祉機器展では、トヨタが歩行領域EVの体験試乗会を行ったので、こちらも乗ってみた。

 トヨタは2019年6月に発表したEV戦略の中で、歩行領域EVという名称を用いて量産化を始めることを明らかにしている。商品は大きく3つある。

トヨタの歩行領域EV・車いす連結タイプ。バッテリーは取り外し可能なリチウムイオン電池パック 
トヨタの歩行領域EV・車いす連結タイプ。バッテリーは取り外し可能なリチウムイオン電池パック Photo by K.M.

 1つは、立ち乗り式の3輪車。立ち乗りロボットについては、ソニーの開発グループをトヨタに融合させて開発を進めてきた自律型2輪車ウィングレットがあるが、2020年東京オリンピック・パラリンピックでの採用を目指す立ち乗り式3輪車はウィングレットとは別物だ。

非接触型のキーで主電源の入切を行う
トヨタの歩行領域EV・車いす連結タイプ。非接触型のキーで主電源の入切を行う Photo by K.M.

 2つめは、今回試乗した、車いす連結タイプ。寸法は、全長54cm×全幅63cm×高さ1m9cm。充電時間は2.5時間で航続距離は約20km。

 車いすとの連結は、本体から伸びる2つのアタッチメントをワンタッチで挟み込む。走行中は車いすの前輪を浮かせた状態になり、地面との接地は3輪となる前輪駆動車だ。

車いすとの連結の操作は容易という印象を持った
トヨタの歩行領域EV・車いす連結タイプ。車いすとの連結の操作は容易という印象を持った Photo by K.M.

 速度設定は時速2キロ、4キロ、6キロを選べ、今回は時速4キロ設定で室内走行では緩やかな登りと下りを走行した。感想としては、車いす本来の旋回性の良さをうまく引き出していて、前輪駆動による違和感はまったくない。

 また、本体には赤外線センサーがあり、検知範囲は3mほど。前方に障害物を検知すると時速2kmまで減速する。完全停止までの設定にしていないのは、エレベーターの使用時に停止することを防ぐため。

緩やかな起伏では安定して走行。最大で10度の斜面を登る
トヨタの歩行領域EV・車いす連結タイプ。緩やかな起伏では安定して走行。最大で10度の斜面を登る Photo by K.M.

 そして、歩行領域EVの3モデル目となる、ハンドル形電動車いすについては、宮城県女川(おながわ)町で2019年9月19日から実証試験が始まった。2019年1月、同町、南三陸町、宮城県、そしてトヨタが、東日本大震災の被災地でEV(電気自動車)を使った総括的な実証試験を行う「スマートモビリティ社会システム実証プロジェクト」(2019年度から4年間)の推進で協定を結んでいる。今回の実証のその一環だ。