日産自動車でカルロス・ゴーン元CEOを告発した西川前社長も、ゴーン氏を糾弾する一方で、自身はなかなか辞めなかった。当時のゴーン氏を批判するなら、取締役にありながらその行動を許した自身の責任を率先して認め、すぐさま辞めた方が主張の一貫性からして効果的であるように思えたのだが、彼は辞めようとしなかった。

 結局、自身のストックオプションの行使に関わる不正を暴かれて、取締役会で事実上の解任に追い込まれるに至った。

 ご本人は、対ルノーとの関係を仕切ることができるのは自分だけだと思っていたのかもしれないし、不祥事を起こした企業の社長がよく言うように「問題を解決して、新しい道筋を付けることが自分の責任だ」と本気で思い込んでいたのかもしれない。

 もちろん、過去の問題の究明は、問題に関わった本人でない人がやる方がいいのだが、近年の社長族にはそう思わない人が多い。

 西川氏の場合、辞任に値する主な責任は株主に対する背任的な行為だろう。ゴーン元CEOが「どのように悪かった」のかは、今後の裁判などで明らかになると思われる。ただ、過去にこれを止められなかったことや、そうであるにもかかわらず、ゴーン氏ほどではないにしても西川氏も高額の報酬を受け取っていたことなどが引責に値するだろう。さらにいえば、ゴーン氏を排除するやり方についても、日産の株主価値に対して適切だったのかどうかは検証されるべきだろう。

日本郵政グループの経営者の罪は?
万人単位に実害を出した彼らが一番悪い

 関西電力の幹部たちの粘りに驚いているわけだが、辞めないことが不思議な経営者は他にも存在する。

 数万件単位の規模で不適切な保険や投資信託の販売を行っていたことが発覚した、郵政グループの親会社である日本郵政と、その子会社であるかんぽ生命保険、日本郵便の社長たちだ。彼らはどういう理屈で辞めないでいられるのだろうか。