これは自分がお客様の立場になるとよく分かる。新しい冷蔵庫を買おうと家電販売店行ったときのことだ。展示品を見ていると、40代後半の店員が近づいてきた。この店員はいわゆる「売らんがための接客をするタイプ」だった。

 見た目も好意を持てない。こちらの話をロクに聞かずに、やたらとハイグレードの冷蔵庫を薦めてくるし、必要のないインターネットプロバイダーの契約までも勧めてきた。嫌気がさした私は「今日は見にきただけなので」と言って店を出たのだ。

 もちろん、下見ではなく買いに行った。店員が嫌だからその場で買わなかったのであり、「今日は見にきただけ」というのも真実ではない。その店員はその言葉を真に受け《冷やかし客だったのかぁ、ツイてないや》と思っているだろう。

 トップ営業マンはお客様の心理をよく理解している。お客様が「ごめんなさいね、すぐの話じゃないの」と言っても、疑い「そういったお客様もたくさんいらっしゃいますから」とサラッと受け流す。そして、他のお客様以上に大切に接客するのだ。

 こうしてチャンスを逃さずつかんでいる。

 その後、私はトップ営業マンになった。

 入社から8年たち、やっとのことで結果が出始めたのだ。その時は今までの失敗経験が役に立つ。結果に結びつきそうもないお客様が来店しても、言葉を疑い、じっくりと話を伺った。