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 米国は貿易問題を巡って中国企業8社を制裁リストに追加し、同国の人工知能(AI)開発の野望を直接の標的とした。対象企業にとっては、極めて重要な部品の入手や米企業との関係が脅かされる恐れがある。

 対象企業には音声認識や顔認識、自動運転、監視技術に関わるAIの中核分野で最先端を行く企業が含まれる。

 その多くは部品在庫を積み増してきた可能性が高く、代替のサプライチェーン(供給網)への切り替えも可能だ。ただ高度な米国製半導体への依存が大きいため、先端研究が停滞しかねない。専門家の間では、長期的に米企業・機関との長年の提携に終止符が打たれ、優秀な外国人材の獲得が制限されるかもしれないとの見方が出ている。

 米商務省は合計28団体・企業をブラックリストに掲載。新疆ウイグル自治区で当局が行っているイスラム教少数民族への弾圧に関与したことを理由に挙げた。制裁はこうした政策に責任を負う当局者ではなく、米ハイテク企業の顧客となっている企業や現地警察を対象としている。許可なく米国製品や技術を販売することを禁じる今回の措置は、貿易を巡る閣僚級協議の再開をわずか数日後に控える中で打ち出された。

 中国商務省は貿易協議に予定通り参加するとした一方、外務省の報道官は制裁についての質問に対し、米国に「誤りを修正」するよう強く促した。