さて、会社の人件費の流れに戻ると、人件費の大きな部分は、給与・賞与を通じて社員に流れていく。このお金が、その後にどう扱われるかが社員の将来にとって問題であるし、ひいては会社が社員に渡している人件費の効率性に影響することになる。

正しいマネー知識を身に付ければ
運用効率が2割以上違う!

 ここで、仮に社員が40年間勤めるとして、老後に備えて収入の一部を計画的に貯蓄し、貯まった金融資産を運用するとしよう。すると、平均的な運用期間はざっと20年に及ぶ(実際は、退職後も運用するから、もっと長い)。

 再び仮の話だが、運用商品の「中身」が年率5%で20年間運用できたとしよう。5%は、おおむね年金基金などの機関投資家が内外の株式に対して想定している期待リターンの水準だ。

 現実の運用にあっては運用商品に手数料が掛かるので、「中身」が5%で運用できたとしても実際の利回りはこれを下回ることになる。下表は、手数料が0.5~2.0%まで変化した場合に、複利で運用して、10年後、20年後に資産額が当初の運用元本に対して何%になるかを試算してみたものだ。捕らぬタヌキの皮算用だが、タヌキの大きさに相当の違いがあることがお分かりいただけよう。

 手数料が年率0.5%で済むと20年後に運用資産は241%に増加しているのに対して、1.5%の手数料が掛かると元本は199%にしかならない。100万円の投資に対して42万円の差が付くということだ。

 個人にとって必要なマネー知識は運用手数料の問題だけにとどまらないが、「手数料についてだけ」でも正しい知識を持っていると、これだけの差が付くのだ。