セブン-イレブンPhoto:Diamond

過去最高益を更新しながら、これほど苦渋に満ちた決算発表があっただろうか。セブン&アイ・ホールディングス(HD)の2020年2月期中間決算。イトーヨーカ堂とそごう・西武で大胆なリストラ策を示したが、国内最大手のコンビニ事業でも苦難は続く。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

セブン&アイ・HDの決算は過去最高益を更新したが、井阪隆一社長の表情はさえなかったセブン&アイ・HDの決算は過去最高益を更新したが、井阪隆一社長の表情はさえなかった Photo by Satoru Okada

「まず、イトーヨーカ堂についてであります」──。24時間営業を巡る加盟店との対立や、独自のキャッシュレスサービス「セブンペイ」の失敗など、逆風がやまないセブン&アイ・HD。10 月10日の2020年2月期中間決算会見の冒頭で井阪隆一社長が触れたのは、傘下で国内コンビニエンスストア業界の王者セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)ではなく、祖業でありながら不採算に苦しむイトーヨーカ堂のリストラ策だった。

 セブン&アイ・HDの連結業績は好調だった。営業収益は前年同期比0.9%減の3兆3132億円と減収ながらも、営業利益は2051億円、純利益は1106億円と過去最高を更新した。

 それでも、ヨーカ堂について全社員の2割に当たる1700人を削減する方針を語る井阪社長の表情はさえなかった。