抜け目ない判断が売りだったはずのソフトバンクグループが、回収不可能な投資コストに関する判断を誤り、初心者がよくやる典型的なミスを犯しているようだ。ソフトバンクは22日、共有オフィス賃貸を手がける米ウィーワークへの投資をさらに拡大する方針を明らかにした。投資家の冷たい反応を受けて、ウィーワークが先月、予定していた新規株式公開(IPO)の棚上げを余儀なくされたためだ。支援策には50億ドル(約5400億円)の融資、30億ドル相当の既存株主からの株式買い取り、来年予定していた15億ドル相当の資本注入の前倒しが含まれる。これにより、ソフトバンクのウィーワーク株の持ち株比率は現在のおよそ3割から80%に高まることになる。だが奇妙なことに、ソフトバンクはウィーの支配権を握っていないため、リース料支払い義務などで巨額債務を抱えるウィーのバランスシートを自社の数字に含める必要はないと主張している。