完成車メーカーを支える部品メーカー、ディーラーの人材難は推して知るべし。民間の自動車整備・修理工場に至っては、「充実した設備や高い技術を持つところであっても人材、後継者ともに枯渇し、廃業が続出している」(販売会社社長)という状況だ。

 自動車業界としては、何をやってでもモビリティには未来があり、数十年のキャリアをそこで積むだけの価値があると若年層に感じてもらわなければ、国際競争以前に人材枯渇で転びかねない。東京モーターショーも、関心を持たれないのだったらやらなくていいなどと、上から目線を決め込んでいる場合ではないのだ。

 豊田章男会長以下、そういう意気込みで作り上げた今回のショーがどういう中身になるかというのは、自動車業界を取材する業界千鳥たちにとっても少なからず関心の的であった。

 2年前の第45回ショーは提案性、創造性、娯楽性のいずれもまったく欠いており、「世界を、ここから動かそう。 BEYOND THE WORLD」のスローガンが聞いて呆れる、率直に言って「誰も強制していないのだから、やりたくないなら無理にやらなくていいんだよ」と、思わず言いたくなるような内容であった。

 ひるがえって今年の第46回ショーの中身はどうか。プレスデー2日間をかけて見て回った感想を一言で表現すると「意あって力足りず」という感じだった。コンテンツ的には、少なくとも風呂敷を広げるだけ広げて中身がスカスカという前回よりはマシになった。

国際ショーのイメージは消え失せたが
最も「日本市場寄り」のものになった

 輸入車勢はメルセデスベンツ、ルノー、アルピナなど数ブランドしか出展しておらず、国際ショーというイメージは完全に消え失せた。しかし、国内各社の出展内容は、近日登場する市販予定車から遠未来のコンセプトカーまで、ここ10年ほどのあいだで最も日本市場寄りのものになったといえよう。

親しみの度合いは格段に上がった
前回よりも親しみの度合いは格段に上がった Photo by Koichiro Imoto

 もちろんコンセプトカーは動いたり触ったりできるものではないが、「親しみ」の度合いは格段に上がった。国際モーターショーでなくなったことで、かえってピントがハッキリしたようなイメージである。

 参加型のイベントが増えたのも特徴だ。近くに自社のショウケース、メガウェブがあるトヨタは市販車や近未来コンセプトカーの展示をそこに任せ、会場内のブースは遠未来のモビリティに絞った展示を行っている。