壇上のコンセプトカーは体験型で、それに触れることで得たポイントに応じて会場限定グッズをもらうことができるという。イベントがうまく行かないとき、ノベルティで釣るというのは改善の王道のひとつで、悪手ではない。

子どもがお絵かきや組み立てなどを通じて自動車産業と触れ合えるキッザニアブースを各社がまとめて出展している
子どもがお絵かきや組み立てなどを通じて自動車産業と触れ合えるキッザニアブースを各社がまとめて出展している Photo by Koichiro Imoto

 また、子どもがお絵かきや組み立てなどを通じて自動車産業と触れ合えるキッザニアブースを各社がまとめて出展しているのも特徴。

 これは新しい試みではないが、これだけ多種多様なキッザニアが寄り集まると、バラエティー性は格段に上がるのだなという感触はあった。高校生以下は入場無料となったこともあり、家族連れの来場者にとっては休日を手軽に楽しむのによさそうだった。

 だが、アクティブイベントにぐっと寄せたことで弱点も浮き彫りになった。キッザニアはある程度評価できるとして、それ以外の体験型、あるいはショー型のコンテンツがおしなべて貧弱なのだ。

 前回のショーの体験型イベントは中身があまりにつまらなくて不評を買ったが、それは今回のショーでもあまり変わっていない。

 例えば、電動モビリティ体験試乗。

 アクセルを踏んだら電動車がノロノロと走るという程度なら、遊園地などで誰でも体験したことがある。ラストワンマイル向けのような小型EVに乗れるというのがクルマに大して興味のない顧客を引きつけるとは思えない。もちろん楽しいと感じる人も少なからずいるかもしれないが、一方で“未来のモビリティってこの程度のものか”と見切られてしまうリスクも少なからずある。

 遠未来の表現も同様にあまり面白いものではない。

 ほとんどの自動車メーカーが提案しているのは都市部における公共交通機関のようなもの。「タクシーやバスが無人化したらこういうふうに便利になりますよ」「移動中のデッドな時間、別のことができますよ」という提案は山のように行われている。が、移動とは世の中をライブで楽しむことであり、自動運転やコネクティビティによって旅の楽しみが無限に広がるといった新しいプレジャーを予感させるような提案は皆無だった。

なぜ心躍るようなコンテンツが
生まれないのか

 こちらについても、今回のショーの内容でも面白いと感じる人たちはいるであろう。が、彼らは最初からクルマにある程度関心を持っている層だ。移動の自由で得られるプレジャーに関心が薄い層に、これからの技術革新で世の中がこんなにも楽しくなりますよという訴えかけには、ほとんどなっていないように思われた。