この事件は「自白」が証拠の決め手とされたが、実はデタラメでいい加減な調書が作成されていた。

 本審では、大津地裁から最高裁まで一貫して自白調書の信用性や任意性を認定し、男性患者の死因を「酸素供給が途絶えたことによる心停止」として有罪としたが、大阪高裁の再審開始決定では確定審の医師の鑑定で、カリウムイオンの血中濃度から「致死性の不整脈」による自然死の可能性があるとされた。

 実は、西山さんの「供述調書」が問題なのだが、でっちあげた警察側は仕方ないにしても、検察も、裁判所も見抜けなかったのはあまりにお粗末だった。

 実は西山さんの自白は二転三転しており、検察側が証拠として示す調書と、公判での西山さんの供述がちぐはぐだったとされる。

 大阪高裁の再審開始決定でも「自白はめまぐるしい変遷があり、体験に基づく供述ではない疑いがある」と疑問視。取り調べた刑事に好意を抱いた末に迎合し、虚偽の自白をした可能性があり「信用性は高くない」と結論付けた。

 最高裁の決定も、裁判官3人全員一致で高裁決定を支持し、再審開始が確定した。

好意につけ込んだ刑事

 今回の事件で問題となったのは、この取り調べを担当した男性刑事の存在と、でっちあげられたストーリーだ。