「表現の不自由展」で上滑りした「表現の自由」についての肝心な議論
Photo:JIJI

「6つの論点」で混乱
開催阻止は正当化されるか

 従軍慰安婦を象徴する少女像などが展示された「表現の不自由展」の中止をめぐって紛糾したあいちトリエンナーレは、10月14日に閉幕した。

 この騒動をめぐる報道やネット上の論議では、少女像や昭和天皇の肖像が燃えるシーンなどの動画作品の展示を支持する左派+芸術家と、反日的なメッセージが強いとして、展示を認めない右派の対立という基本的構図に議論が集中した。

 だがそのため、公的機関が後援する文化的イベントと「表現の自由」の“葛藤”という、最も肝心な問題が十分に論じられなかった。

 政治や行政が展示の中身に細かに口出しすれば表現者を萎縮させることになり問題だが、中身に全く口出ししないことが「表現の自由」を守ることなのか――。

 不自由展が実際に反日的宣伝を意図して企画されたものかとは別に、この議論はもっと深められるべきだった。