不勉強な経営者は
いずれ経営に行き詰まる

 私の知る限り、大企業の経営者で本をまったく読まない人は、あまりいないと思います。本を読まない人が大企業のトップになれるとは考えられません。

 日本に限らず、世界中のエリートはおしなべて読書家です。欧米のエリートはシェークスピアを読んでいるのは当たり前なので、海外でビジネスをする日本人も、読んでおかないと話を合わせられないでしょう。

 けれども、私のように比較的規模の小さい会社の経営者では、本を読まない人も少なくありません。中小企業の経営者と話していると、あまりにも不勉強なので、「大丈夫かな?」と心配になることもあります。

 本を読んだり、勉強熱心な経営者は、日々のビジネスでもさまざまな工夫をしています。

 仕事の効率を上げるにはどうすべきか、現場の士気を上げるには何をすべきか、会議の盛り上げ方は?―と、課題を見つけては、常に改善しているのです。

 本を読んでいない経営者は、そういう柔軟性がない人が多いように感じます。それは、やはり本で経営者の役割や経営哲学を学ばなかったからかもしれません。

 儲かりさえすればいいという儲け主義で、利益だけがすべてという考えを持っていたら、いずれ経営は行き詰まるでしょう。単純に少ない人件費でたくさん稼げばいいという会社になります。それはいわゆる、ブラック企業です。

 儲け主義で経営が一過的にうまくいったとしても、長続きはしないでしょう。人の役に立つという発想がなければ、経営は先細っていきます。しかし、経営者に学びがないと、なぜ先細っていくのかもわからないのです。

 私自身、経営者になったときは、「経営学」や「リーダーシップ」のジャンルなど、いわゆる「経営者が読むべき本」を意識的に読み、目先の利益にとらわれず、大局的にものを考えることを学びました。

 ですから、“読む人と読まない人の差”を実感しているのです。

 ある意味、本を読むのが経営者の仕事でもあります。

 経営者は、世の中の絶え間ない変化に対応しなくてはならないので、常に最新の情報を自分自身にインストールしなければなりません。読書はそのための水先案内人になります。