森議員への懲罰を求める
署名は6万を超えた

 ただ、あえて言うと、野党のみならず与党やマスメディアの側の無責任もひどいと言わざるを得ません。

 今回の一連の出来事はかなり深刻です。原氏や高橋洋一氏は人並み外れた図太い神経を持っていますし、国会議員への報復のやり方も心得ています。ただ、もしごく普通の一般人が、NHKの中継入りの国会審議で突然国会議員に間違った情報を元に誹謗中傷されたら、その人は途方に暮れて精神的に大きなダメージを負いかねないのではないでしょうか。だからこそ、今回の出来事は“済んだこと”で終わらせてはダメなのです。

 それにもかかわらず、与党の側は本件について4人の野党議員を批判する気配すらありません。本件を瑣末なことと捉えているのか、円滑な国会運営を優先して野党をあまり刺激したくないのかわかりませんが、本件に一切関与しようとしない与党の側も無責任です。

 かつ、特に野党寄りの新聞は、質問内容漏洩問題で野党が騒いでいることを大きく報道したのに、この問題がその後どうなったのかについては一切報じておらず、国民は騒いだ野党の側に問題があったと知ることもできません。これもひどい無責任と言わざるを得ないのではないでしょうか。

 ただ、やはり一番ひどいのは4人の野党議員、そして彼らの暴挙を抑制もしない2つの政党です。こんなことを平気でやっている限り、野党への支持率が高まるはずはありません。選挙で与党が勝ち過ぎ、改革が進まなくなって久しいですが、その最大の問題は野党と野党議員のダメさ加減にあることが、今回はっきりしたと言えると思います。

 森議員への懲罰を求める署名は6万以上集まりました。6万という数はそれなりに重い数字ですので、そろそろ参議院に対して懲罰を求める行動に出るタイミングではないかと思います。それでも政治の側が何もしなかったら、そしてそうした動きを新聞が一切報じなかったら、そろそろ国民の側は政治、特に迷走する野党に対して真剣に怒るべきです。

(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授 岸 博幸)